1 FX取引とは
FX取引とは、外国為替証拠金取引のことで、外国為替(Foreign eXchange)の略称のことで、二つの通貨を取引して交換するもので交換比率(為替レート)の変動によって損益が発生するものです。FX取引は、近時先物取引を超す人気ぶりでしたが、先物取引と同様に投機性が強いこと、ユーロ危機やアメリカドルの暴落等、世界での為替変動が著しいことからその投機性は一段と高まっているといえるでしょう。
2 FX取引と外貨預金との違い
FX取引は外貨預金とよく対比されますが、どのように違うのでしょうか。
(1)外貨預金
外貨預金は、文字通り外貨を買ってそれを預金し、その利息が利益となるものであり、日本円であれば定期預金に当たるものです。ご存じのとおり、日本は超低金利で普通預金の利率は0.03パーセントほどです。ところが外貨には数パーセントの金利がつくものもあるので資産運用の一つとして外貨預金をされる方もいるのです。外貨預金の場合は、元本保証がないのでリスクとしては、為替変動で元本割れとなるおそれがある点でしょうか。
(2)FX取引の特徴
これに比して、FX取引は、通貨の交換比率の変動を利用した資産運用方法である点では共通するのですが、単に元本割れのおそれだけでは済まないのです。すなわち、外国為替証拠金という文言からも窺えますが証拠金を入れることによって現実に拠出した金銭の数十倍(現在は25倍に制限されています)の取引ができるのです(レバレッジ効果)。当然、利益が出れば大きくなりますが、逆に、損失が出た場合には莫大となるリスクがあるのです。
(3)FX取引には損失を抑える仕組みがある
このレバレッジにより少ない資金で大きな取引が出来る点は先物取引と同じですが、先物取引に比べればFX取引は損失を抑えるための仕組みが一応あります。
まず、先物取引の場合は、限月と言って将来のある時期に必ず差金決済をしなければなりませんが、FX取引では限月がありませんから損害がでそうな場合実質的に決済しないことも可能です(ロールオーバー)。また、先物取引では、追証といって損害が証拠金の50パーセントを超えると追加の証拠金支払いを求められますが、FX取引では、損失額が一定の水準を超えた場合(各業者により水準に若干の開きがあります)自動的に決済され、損失を拡大させないシステムがあります(ロスカットルール)。また、自動ストップロス制度というものがあり、個人でここまで損失がでたら自動的に決済すると決めておくことが可能であり、このような注文方法をトレール注文といいます。
その他、FX取引では、スワップポイントと言って、二つの通貨の金利差益を累積的に受けることもできます。
(4)投機性が強いFX取引
このように、先物取引に比べてFX取引は安全とも思えますが、レバレッジにより多大な損害を受けるおそれがありますし、近時、通貨の変動は大きくなっていますのでやはり投機性が強いと言わざるを得ません。
よって、FX取引においては、個人の能力を見極めて、どの程度のレバレッジにするのか、トレール注文をいつするのか等考える必要がありますが、実際には各業者の社員の言いなりになり大きな取引をしてしまい莫大な損害を受けることがあるのです。
3 FX取引をされる方へ
FX取引をされている方、これからしようと思っている方、FX取引も投機性が強い金融商品ですので、最低限の知識はつけ、業者を良く選んで、ご自身の余剰資金の中で取引を行うことが大切です。
もし、業者の対応で損をされたと思われている方がいれば、場合によっては取り返すことも可能かもしれませんので、一度ご連絡をください。
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