1 未公開株とは
未公開株とは、証券取引所などに上場していない株のことをいいます。通常,未公開株を一般の個人が売買は,日本証券業協会が運営する未公開株式の売買市場であるグリーンシート市場の登録銘柄に限定されます。このように,一般の個人が未公開株式を購入する方法は限定されておりますので,突然,「未公開株式を購入しませんか」と言って訪問してきたり,電話での勧誘が来たら,ほぼ詐欺であると言えます。
2 劇場型詐欺の登場
従来,この手の詐欺は,営業担当者が直接訪問して未公開株式の売買を勧誘するという,極めて単純なものでした。
しかし,最近は,「オレオレ詐欺」が巧妙化しているのと同様に,未公開株を利用した詐欺も巧妙化しています。例えば,ある日突然,「近く上場するA社の未公開株を買わないか?今なら100株300万円で売る」という勧誘の電話がかかってきます。ここで「要らない」と断ると,それ以上は強く勧誘してきません。あまりにしつこいと怪しまれるからです。数日後,別の業者から「A社の株式をもっていないか?今なら100株900万円で買います」という電話がかかってきます。ネットでHPを確認すると確かにそういう会社のHPもあり,しっかりした企業のようです。そこで,A社の未公開株を購入し,指定された口座にお金を振り込むと,以降,その会社とは連絡が取れなくなり,そこで詐欺にあったと気付くのです。こういった手法は,「劇場型詐欺」と呼ばれます。
こういった未公開株を利用した詐欺は近時,非常に増えており,詐欺被害者からPIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)に寄せられる相談も増加傾向にあります。
3 狙われやすい高齢者
未公開株詐欺の被害者の多くが60歳以上の高齢者であり、支払金額の合計額は2010年度(2011年1月31日現在)だけでも約283億円(2001年度以降の累計は約860億円)にものぼります。なかには「老後の蓄えをすべて失ってしまった」といった深刻な被害も見られます。
4 電話勧誘は信用しない
こういった電話があったら「詐欺だ」と疑っていいでしょう。自分で、国民生活センターや日本証券業協会などの相談窓口に電話をかけて相談するのもいいでしょう。最近は,十分な本人確認をすることなく,こういった詐欺集団に対して携帯電話をレンタルした携帯電話レンタル業者の責任を認める裁判例も出てきています。もし,実際に被害に遭ってしまった場合には,弁護士までご相談ください。
総武線・半蔵門線沿線 東京都墨田区錦糸町・押上
消費者被害(先物取引・未公開株等)に関して弁護士をお探しなら
アライアンス法律事務所までお気軽にご相談ください
東京都墨田区太平4-9-3第2大正ビル1階
電話03-5819-0055