易者・ウサギ耳コスプレ強要、２２万支払い命令　大分地裁平成２５年２月２０日

事　案

社内研修でコスチュームを着用する「コスプレ」を強要され、精神的苦痛を受けたとして、化粧品大手「カネボウ化粧品」（東京）の子会社に勤務していた大分県内の女性が、子会社と当時の上司らに約３３０万円の損害賠償を求めた訴訟。女性は、カネボウ化粧品の契約社員で、子会社の「カネボウ化粧品販売」（東京）に出向し、美容部員として勤務していた２００９年１０月、出向先の大分支社（大分市）が開いた研修会に参加。販売ノルマが未達成だったことから、上司からコスチュームが入った箱を他の部員数人とともに選ばされ、易者のコスチュームとウサギの耳の形をしたヘアバンドを着用させられた。また、許可なく写真を撮影され、別の研修会でスライド投影された。

結　果

会社や上司らの責任を一部認め、２２万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

理　由

大分地裁は判決理由で、「正当な職務行為とはいえず、心理的負荷を過度に負わせる行為」と指摘した。「コスチュームは業務内容や研修会の趣旨と全く関係なく、着用によって精神的苦痛を感じたことが認められる」とした。

出　典

（2013年2月21日13時30分 読売新聞）

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130221-OYT1T00642.htm?from=main6