第●条(採用決定後の提出書類) 1 従業員として採用された者は、採用後2週間以内に次の各号の書類を提出しなければならない。ただし、選考に際し提出済の書類についてはこの限りではない。 (1)誓約書 (2)身元保証書(保証人は原則として従業員の3親等以内の親族で成人とする) (3)住民票記載事項証明書 (4)源泉徴収票(職歴のある者に限る) (5)雇用保険及び厚生年金保険の各被保険者証(職歴 のある者に限る) (6)その他会社が必要とする書類 2 従業員は、前項の提出書類の記載事項に変動があった場合、会社に対し、変動があった日から2週間内に文書で届け出なければならない。 |
1 誓約書
「誓約書」は、従業員として入社するにあたり服務規律等の遵守や守秘義務等の厳守を制約する書面です。
2 身元保証書
身元保証書」については、「身元保証に関する法律(昭和8.4.1法律第42号)」に規定されています。身元保証契約の期間は5年以内(更新も可)であり(同法第2条)、身元保証人の責任は、同法第5条の保証責任の限度に従い、従業員の行為により会社が受けた損害の範囲内にとどまりますが、責任の有無、賠償額の決定については、使用者の過失の有無、身元保証人となった事由、注意の程度、職務の異動などのあらゆる事情が斟酌されることになります。
3 住民票記載事項証明書
住民票又は戸籍抄本の提出については、就職の差別をなくすために、「このような書類は、一般的かつ択一的に提出させる必要は認めがたいとし、必要になった時点、例えば、家族手当を支給するため、扶養家族の確認が必要になった時点で個別的に本人に対し使用目的を告知した上で提出を求めるべきである(昭和50.2.17基発83号・婦発40号)」とされています。そこで、本人の確認や住所、年齢等の確認が必要であれば「住民票記載事項の証明書」の提出で足りることになります。
4 提出書類の内容
採用決定後の提出書類については、入社時に必要と思われる書類等をすべて就業規則に記載しておきます。もっとも、全て網羅することは困難なので包括規定を定めておく必要があります。
5 提出書類の記載事項に変更が生じた場合の届出手続
労働契約は継続的契約であり期間も長期に亘るため、採用時に提出を求めた書類の内容に変更が起こることも少なくありません。例えば、家族の異動や住居の移転は、家族手当や通勤手当の支給額に影響するものであり、この届出を怠ると賃金の不正受給になり、懲戒処分の事由にも該当することになります。そこで、採用時の提出書類に変更があった場合に届け出を義務付ける必要があります。届出の期間については、変更後「速やかに」とすることも多いようですが、明確性を期すためにも、「2週間以内に」という風に、具体的に定める方がよいでしょう。
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