違反事実の概要 |
|
ア (株)Pは,婦人服等の製造を下請事業者に委託しているところ,次の(ア)又は(イ)により,下請事業者に責任がないのに,当該下請事業者に支払うべき下請代金の額を減じていた。減額した金額は,下請事業者10名に対し総額2327万2972円である。 |
|
(ア) |
自社の店頭販売価格を引き下げることによる利益の減少分を補うため,下請事業者に対し,「値引」等として,自社の店頭販売価格を引き下げることとした商品の在庫数量に一定額を乗じて得た額を負担するよう要請し,この要請に応じた下請事業者について,平成22年6月から平成23年5月までの間に,下請代金の額から当該金額を差し引いていた。 |
(イ) |
自社の利益を確保するため,下請事業者に対し,「歩引き」として,下請代金の額に一定率を乗じて得た額を負担するよう要請し,この要請に応じた下請事業者について,平成22年6月から平成23年6月までの間に,下請代金の額から当該金額を差し引いていた。 |
イ Pは,下請事業者に対し,発注データの入力作業を行うよう要請し,この要請に応じた下請事業者11名について,平成22年6月から平成24年2月までの間,無償で発注データの入力作業を行わせることにより,当該下請事業者の利益を不当に害していた。 |
|
勧告の概要 |
|
ア Pは,下請事業者に対し,前記⑴イの行為により当該下請事業者に提供させた役務に係る費用相当額を速やかに支払うこと。 |
|
イ Pは,前記⑴アの行為が下請法第4条第1項第3号の規定に違反するものであること及び前記⑴イの行為が下請法第4条第2項第3号の規定に違反するものであること並びに今後,前記各号の規定に違反する行為を行わないことを取締役会の決議により確認すること。 |
|
ウ Pは,次の事項を自社の役員及び従業員に周知徹底すること。 |
|
(ア) |
前記ア及びイに基づいて採った措置の内容 |
(イ) |
減額した金額を下請事業者に支払ったこと |
(ウ) |
自社の発注担当者に対する下請法の研修を行ったこと |
エ Pは,次の事項を取引先下請事業者に周知すること。 |
|
(ア) |
前記ア及びイに基づいて採った措置並びに前記ウ(ア)及び(イ)の事項について,自社の役員及び従業員に周知徹底した旨 |
(イ) |
減額した金額を下請事業者に支払った旨 |
(ウ) |
自社の発注担当者に対する下請法の研修を行った旨 |